今日は、最近観た映画の話をしますね。
本当は画像とか使って紹介したいところですが、著作の問題がありますからね。
文章だけでお付き合い下さい。
1964年のディズニー映画「メリー・ポピンズ」をご存知でしょうか?
自分が生まれる前の、随分と昔の映画です。
観たことがあるかないかも曖昧なのですが、タイトルと映像だけは、なぜかしっかり記憶に刻まれています。
近日、実に55年ぶりの続編「メリー・ポピンズ リターンズ」が公開されると知り、その前に前作をぜひ観てみようかなと思ったわけです。
「メリー・ポピンズ」をあらためて観てみると、正直子供には難しいような時代背景やセリフも多く出てくるなとは思ったけれど、それを抜きにしても映像や雰囲気で楽しめるファンタジーな世界の表現は、「さすがディズニー」と関心させられます。
1番のインパクトは、やはり実写とアニメの融合ではないでしょうか。
実写シーンだけ切り取っても、空を飛んだりフワフワ浮いたり、階段の手すりに座った状態でスーッとのぼったり、「50年以上前なのにこんな映像技術あったの?」と驚くことばかり。
どうやって撮影したんだろう? と思うようなことが多すぎて、内容そっちのけでネット検索。
(便利な時代ですほんと)
Google検索で
『メリーポピンズ 撮影』とか
『メリーポピンズ メイキング』とか
色々調べてるうちに、別の映画作品にたどり着きました。
それが、2013年公開の映画「ウォルトディズニーの約束」でした。
(この作品、映画館の予告を観て気になってはいたのですが、結局観れないまま時が過ぎてしまった映画)
ネットでこの映画の内容を知り、今すぐ観たい! と思って動画配信サービスで検索。
(いやはや、ホントに便利な時代)
ありました、「ウォルトディズニーの約束」。
この映画では、さっき紹介した「メリー・ポピンズ」の映画が出来るまでの物語が描かれています。
「メリー・ポピンズ」の原作に魅了されたウォルトディズニーが、映画化実現のためになんと20年がかりで原作者を口説き落としたという実話です。
観始めてすぐ、その内容に引き込まれました。
なにが面白いって、原作者のパメラ・トラヴァースという女性作家。
これがもう見ていて腹が立つほどの難癖おばさん。
ひねくれるにも程があると言いたいくらいの性格の曲がり方なんです。
ウォルトディズニーは、そんなひねくれ作家から映画化の許諾契約を結ぶサインをもらいたいわけですね。
※ここから先はネタバレになりかねないので、ご了承の上お進み下さいね。
奮闘するウォルトディズニーと映画制作関係者たち。
ひねくれ女作家は一筋縄ではいきません。
「映画化は、私がその内容に納得出来なければ契約はしない」と脚本や設定にいちいち難癖をつけます。
それはもう気持ちいいくらいに。
「私の指示は取りこぼすことなく全部記録してほしいから、録音機も回して頂戴」と声まで記録させる始末。
ミュージカルはやめて。
アニメーションは嫌。
そのキャラクターにヒゲはいらない。
嫌いな赤色を映像に入れるな。
(真っ赤な口紅してるくせに)
とにかく「ダメ。いや。そうじゃない」と内容にとことんケチをつけます。
まさにああ言えばこう言う状態。
やり取りをみてほんとにヤキモキさせられます。
でも実は、この女作家には忘れられない辛い幼少期の過去があり、これらの難癖には全て意味があったわけです。
過去と現在の映像が行き来しながら、この作家の「メリー・ポピンズ」に対する強い想いが垣間見えてきます。
さて、この「ウォルトディズニーの約束」、
日本だとこのタイトルなのですが、海外だと「Saving Mr. Banks」。
Mr. Banksというのは「メリー・ポピンズ」に登場するお父さんのことです。
「ウォルトディズニーの約束」を観れば、この「Saving Mr. Banks」という海外版タイトルの意味がわかります。
深いです。
そして、この映画はラストのエンドロールまで飽きさせません。
エンドロールの途中で、録音された当時のやり取りの記録音声がレコーダーから流れてきます。
原作者本人の、本物の声。
これで原作者の難癖おばさんっぷりが脚色ではないことが伝わってきます。
そんな所もこの映画の見どころです。
映画の内容はさておき、「メリー・ポピンズ」を観てからこの「ウォルトディズニーの約束」を観ると、この難癖おばさんが言っているのはあのシーンやあの設定のことかと、よりイメージが膨らみます。
そしてどうやってウォルトディズニーは「メリー・ポピンズ」の映画化を実現させるのか。
これはただの制作裏話ではなく、作家の「メリー・ポピンズ」に対する想いや愛が伝わってくる作品です。
気になった方はぜひ「メリー・ポピンズ」を観てから「ウォルトディズニーの約束」を観て、もう一度「メリー・ポピンズ」を観直して、さらに近日公開の「メリー・ポピンズ リターンズ」を観に劇場まで足をお運びください笑
※別に映画のまわし者じゃございません。
今年の目標はね、映画を365本観ること。
無理かもしれないけどできる限りね。
単純に映画が好きなんだけど、どんな映画もショーのヒントになるような事が見つかったりするんです。不思議なことに。
一般的な観方とは少し違うかもしれないけど、ストーリーだけじゃなくて、音楽やセリフや効果音や、撮影の仕方とか、小道具とか衣装とか、映画って山ほど情報量があります。
その分だけ制作側の想いが詰め込まれています。
僕もショーに詰め込んだ想いが「楽しかった!」という気持ちとなって、参加してくれたみんなの心に残るといいなぁと思っています。
「メリー・ポピンズ リターンズ」が楽しみです。
カナト